今回の【人間区宝さん】は以前にも城東じゃーなるで「呑めなくても呑みたくなる酒屋さん」というタイトルで記事にさせてもらいました関目2丁目にある池原酒店さん。理系で「商売に向いてない」とご両親に言われ、お酒とは関係のない世界で働きはじめたオーナーさんがひょんなことからお店を継ぐことに。「人生なんてそんなもんでしょ」ってクールな顔でサラッと言っちゃう、その人は、、、
第3回目の人間区宝さんは、、、、池原酒店の池原さんです
池原さんはご両親がはじめられた「池原酒店」を継がれた酒屋さんの「オーナー」です。
関目2丁目界隈を周ってる時には結構な頻度で訪れちゃう池原酒店なんですが、なんといってもわたくしタカシ@JJはお酒が超弱いんです。でも池原さんや奥様が楽しそうに話すお酒に関する色々なエピソードをお聞きしてると思わず呑んでみたい!と思ってしまう不思議な酒屋さん♪改めて色々お話を聞いてきました。
関目2丁目にある池原酒店
―記事の冒頭にも書いたんですが、ご両親に「商売に向いてない」と言われながらも、今こうして酒店を経営されてるのはどういう経緯があって継ぐことになったんでしょう?
池原さん
今現在の今福鶴見のダイコクドラックがあるところらへんで両親が酒屋と立ち呑みというスタイルで商売をしてたんですね。ま~今から考えるとありえないでしょうけど、当時小学校低学年の時から両親の商売を手伝ってたんです。多分その姿を見て「こいつは商売に向いてない」っておもったんでしょうねえ。実際弟の方が愛想もいいし仕切りもうまかったです(笑)
本当は姉夫婦が酒屋を継ぐ予定だったんですが、その姉が体調を崩して話が流れてしまったんです。で、さらに追い打ちをかけるように父が倒れてしまい当時 別の会社で仕事をしていた僕が入社1年で家族を養う給料があるはずもなく、それならばと継ぐ形になりました。僕より商売に向いていた弟は学生でしたし(笑)
―えらい急な展開でしたね!!手伝ってたとはいえ、まったく畑の違う仕事をすることになって抵抗とかなかったんですか?
池原さん
その当時そんな抵抗はなかったですよ(笑)まあ就職して1年っていうのもあったでしょうし、一番はそんなん言うてられなかったですしね~。
―そら、そうですよね~(笑)。で、そういうところから酒屋さんとしてのキャリアがスタートして、どういう風にお酒の事を知っていったんですか?
池原さん
先程話した通り姉夫婦が継ぐ予定だったので、すでに姉が通っていた酒販学校に代わりに通い始めました(笑)確か月1回ぐらいの講習だったんですが5年ほど通ううちに月謝が高くなってきて辞めることにしました。そして次に入ったのが東西地酒グループっていうところで有名なところが主催でやっていて何か面白そうやなあって思って千葉まで通い始めたんです。
ところがそこも通ううちにマンネリ化してきたんですね(笑)で、その勉強しに来てる中にワインに長けてる人がいるみたいって話になって、地酒の勉強しに来てるのに何故かワインの勉強をし始めるっていう(笑)
で、その方が「このワインは生きてる」とか、「このワインは死んでる」とか言うんですね。で、飲んでみたら今まで飲んでたワインと全然違うくて衝撃を受けました。
―あ!それがお店でも販売されていてHPにも書かれているマキコレワインですかね?ではその方が教えてくれたんですかマキコレワインのことを。
池原さん
実はワインについて教えてくれた方の娘さんが美術の勉強しにフランス留学をしたんですけどワインのセレクターになって帰って来たんです(笑)その娘さんが向こうで飲んだワインがあまりに美味しいくて感激して、美術の勉強してる場合じゃないってことになって醸造学校に通い始めたそうで、するとそこには現地でワインを作ってる生産者のご子息も来ていて友達になって、そのつながりから娘さんのお父さん(すなわち僕らにワインを教えてくれていた人)と娘さんが二人三脚で現地を周りながらほんとに美味しいワインを日本に少量ながら送るようになったのがマキコレワインの始まりです。今でこそうちにも結構な種類のマキコレワインありますけど、少しずつ時間かけて種類も増えていったって感じでしたね。
マキコレワインについて書かれていた貼紙
今年のボジョレーヌーボー
メチャクチャできがよかったみたいですね~♪
―なるほどなるほど~そういうことだったんですね~。お店にはマキコレワインだけでなく量販店には出回らないような日本酒がおいてたりするんですが、奥様が以前”車坂”というお酒は若い女性杜氏が生産者なんですとおっしゃってましたが?
池原さん
そうですね。いらっしゃいますよ~。吉村秀雄商店という和歌山の酒蔵に入社されましたけど、実際日本酒界の中ではその方がどの酒蔵に入社するのかが結構な話題になってました。スーパールーキみたいな感じで(笑)
というのもその方は東京農大をでて(エリートらしい、、)人間国宝級のとある杜氏さんについて10年酒造りをした方だったのでやっぱり業界としては動向が気になりますよね。
数十年のお付き合いがある杜氏さんが作るお酒が並ぶ。
―ええ~~!?お酒の世界にもそんな野球の世界みたくスーパールーキーみたいな人がいるんですね!!面白いですね~。
池原さん
いてはりましたね(笑)面白いといえば”遊穂”ってお酒も置いてるんですけど、そのお酒を造ってる杜氏さんは野江出身の方で、先程お話した女性杜氏さんと同じ人間国宝級の杜氏さんのもとについていたんですよ、だから兄弟子みたいなもんですよね。
それでねその方は元々高校の用務員をやっていて、そこの高校にフィリップさんっていうオックスフォード大学から交換プログラムで来ていた人がいたんです。その二人が同じ高校でたまたま出会って一緒に酒蔵巡りみたいなことしてたらしんですよ。
そしたらね杜氏のなり手が少ないって知った二人は「じゃあ2人で杜氏なろっか」っていうぐらいのノリで修業をはじめて結局2人とも今や立派な杜氏さんになりはったんですよ(笑)
野江出身の杜氏さんが生産してるお酒”遊穂”
―はいでた!!(笑)そんな事あります!?お二人とも?!
池原さん
極めつけは、今ご紹介した杜氏さんたちをそれぞれ今務めている酒蔵に紹介したんが梅田のとある飲食店をやってる方なんですよ(笑)その方日本酒界ではかなり有名な方で杜氏さんが大阪にくることがあったら大抵その人に皆さん逢いにいかれるような方でね、僕らより全然お酒について知ってるし、杜氏と酒蔵の橋渡し的な事をよくされてるんですよ(笑)
―なんですか~その方!?しかしよくそんな上手い事できた話でてきますね~(笑)その方たちにまた一度お話うかがってみたいです(笑)ではでは最後になりますが池原さんの今後の夢というか野望というかそういったものってありますか?
池原さん
いろいろ思案中なんですけど、今の店では小さいのでちょっと食事できたり、もちろんお酒が飲めるスペースがあるような感じにしていけたらいいなあ~ってのはありますね~。何年先になるかわからないですしどのくらいの規模になるかとかはわからないですけどね(笑)
―うわ~!それいいですね!!想像するだけでステキなお店ですよ~!ぜひ叶えてください!!今日は長い時間ありがとうございました!!
お酒について無知な筆者にいつもホント楽しそうに色々お話してくれる奥様と池原さん。
いや~今回もここに書ききれない話から書けない(笑)話までほんとに沢山お酒にまつわる話に業界の話、音楽の話などしていただきました。
何度も書いてますが筆者はお酒呑めないんですよね、残念ながら。ただ池原酒店さんと出会ってからお酒はここで購入することに決めてます(笑)ほんとにここからしか今は購入していません(笑)
店内にあるマキコレワインのワインセラー
やっぱり「この人お酒が好き」ってのがにじみ出てる人から買いたいですもんね♪まあ呑めないんですけど(笑)
理系出身で接客不器用な池原さんは昼の2時以降配達にでるんですが変わりに店番をする奥様が最近お客さんからの指名が多くなってきてるとか(笑)
そんな素敵なお二人に会える池原酒店さんは関目2丁目にあります。また近いうちにお酒にまつわるエピソード色々聞かせてもらいにお店に行きたいと思いま~す。
池原さん、奥様いつも色々質問する筆者を快く受け入れてくれてありがとうございます!これからも面白い話一杯聞かせてくださいね~(笑)
ありがた~~い名言
「生き物的扱いをしてくれたらいいんですけどね」
(ワインやお酒について) By 池原さん